お米からブランドを考える? 学生が手がけたパッケージと新しいデザイン展開 

11月17日(月)、西千葉キャンパスにて「実践デザイン演習A」で制作されたパッケージと今までにない新しいデザイン展開の最終講評会が開催されました。

本授業では、「生活者に商品のコンセプトと価値をいかに伝えるか」をテーマに、リサーチ・企画立案・デザイン・発信の仕方までを一貫して行います。

今年度の課題素材は「お米」。

日本の文化と生活に深く根づく素材を通して、学生たちはブランドの価値設計からデザイン戦略までを考察しながら商品開発に挑みました。

学生たちが形にした新しい「価値」と「アイデア」

学生たちは、地域性やターゲット層、販売シーンを踏まえ、独自のブランドコンセプトを立案しました。

パッケージデザインに留まらず、アイテム展開・広告・プロダクト・ムービー・ディスプレイ展開まで含めた幅広い商品企画へと発展させています。

注目されたポイント(一部紹介)

■ 遊び心のある表現

お米の形をハートにしたり、日本の伝統文化や人の想いなどをイラスト化してお米と繋いだり、グッズを作るなど、見る人が気づくと嬉しくなるような仕掛けがありました。

■ 素材×視覚効果

和紙や藁や紐などの日本的な素材を使用し、折の構造を活かしたり、見る角度や光の当たり方によって表情が変わるなど、さまざまな仕掛けがありました。

■ 体験価値とストーリー

「手に取る楽しみ」「開ける楽しみ」「使い終えてからの楽しみ」という“三つの喜び”を意識した提案も。扇子のように広がるディスプレイや、星空をイメージした絵本のような世界観、お手玉、藁のお香、など、わくわくするデザインが目立ちました。

■ 地域性の表現

選定した県の歴史や文化をデザインに反映。武士文化をモチーフにするなど、視点を変えたオリジナル性の高い作品も見られました。

■ サステナブルな視点

廃棄米を活用したアクセサリーなど、素材に新しい価値を与える提案もありました。

どの作品にも、「誰に、どんな価値を届けたいのか」というブランド視点がしっかりと表れていました。


担当講師の総評

中間講評を経て、学生たちは企画の方向性を深め、熱意と探求心が形になりました。最終講評会の完成度の高さに大きな感動を受けました。

商品デザインで重要なのは、使う人の心を動かし、想いを伝え、共感を生むことです。

愛情を込めて作るとその想いが形となり、作品に「その人らしさ」と「価値」が宿っていきます。

今回の作品には、一人ひとりの確かなストーリーと意志があります。

社会の中で長く愛される商品へと成長していく可能性を感じました。

講評会に参加してみて

実践デザイン演習Aの授業で学生たちは、「デザインは見た目を作ることではなく、価値を伝える手段である」という視点を体験的に学びました。


この学びは、商品デザインや広告、UX/UIなど幅広い領域で活かされていくでしょう。

今回の経験を土台に、学生たちが社会で活躍し、生活者の心に届くデザインを生み出していくことを期待しています!